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根保証の恐るべきしくみ
根保証契約は、一度契約をしてしまえば、主たる債務者がその後に同じ債権者との間で何度も取引を繰り返すような場合に、その都度いちいち契約をしなおして保証人が書類に署名しなおさなければならないような煩わしさがありません。そのため商工ローンなどの事業用資金として取引が継続しそうな場合には便利な契約です。
主たる債務者としては、借りるたびに連帯保証人にサインを貰いにいく必要がなくなるため、非常に便利な制度といえそうです。
しかし、保証する側から見ればこれほど恐ろしい保証はありません。
根保証とは、通常の借入金に対する保証とは異なり、「融資枠」に対する保証です。通常、根保証契約には「極度額」と「期間」が定められています。
たとえば、極度額1,000万円で3年の契約で考えてみましょう。
「100万円借りたいから保証人になって欲しい。」と頼まれたあなたは、「まぁ100万円なら。」と保証人になりました。
しかし、根保証契約の場合、主たる債務者が最初に借りたときは100万円であっても、1,000万円までの範囲内であれば、3年間の間に何度借りて返してを繰り返しても良いという契約です。
つまり、主たる債務者は1,000万円を上限額として何度も「借入」→「返済」→「借入」→「返済」と繰り返していくことができることになります。最終的な金額は期限が満期になるまで判明しません。
そして、保証人はこの1,000万円の枠に対して保証をするということです。
したがって、100万円の保証をしただけなのに、3年後には1,000万円に膨れ上がっているかもしれないというのが根保証契約です。そのため、保証人は今現在の借金が増えているのか、減っているのか、主たる債務者に確認しない限りわからないのです。いや、もしかしたら主債務者でさえ把握できていないかもしれません。
根保証より悪質な包括根保証
包括根保証は根保証よりさらにタチが悪く、根保証のように「極度額」と「期間」を定めない根保証のことを包括根保証といいます。
したがって、主たる債務者と債権者の取引から発生する債務をすべて無制限に保証することになりますから、非常に恐ろしい制度であることは言うまでもありません。
主たる債務者があらたに借金をすれば、自動的に無制限で保証したことになってしまいます。
包括根保証の保証人になってしまったら、あとは借金地獄に落とされるのを待つばかりです。法人の場合ならまだしも、個人が包括根保証の保証人には残酷な制度でしかありません。
包括根保証の廃止
2005年4月1日、民法の改正に伴い、根保証に関する規定が改められました。
保証人が個人の場合は、「極度額」「期間(最長5年、定めがないときは3年間)」を定めないと、その根保証は無効となります。つまり、個人が保証人の場合に限っては、包括根保証は無効となるということです。
